投資の名著本間宗久著
「相場三昧伝」翻訳



思うところあって、投資の不朽の名著、本間宗久の『相場三昧伝』を少しずつ翻訳していくことにします。
終わるまでかなりかかりそうですが、ご理解よろしく。
なお「相場三昧伝」は米相場が行なわれていた頃に書かれたもの。
株式投資はなかった。
この点、株式投資とは事情が異なるところもあることをお断りしておきたい。



(1)米相場はスタートが大切

相場は踏み出しの第一歩が大事である。
踏み出しが悪い時は必ず失敗する。

また売買は急いではならない。
急げば踏み出しが悪い時と同じになる。
売りにせよ買いにせよ、今日以外に売買のチャンスはないと気持ちがはやる時は、三日待つこと。

これは秘伝である。

じっくりと相場の変動を見て、天井や底値の位置を推測しながら売買すること。

これが相場道の極意である。

底値にならないうちは、何カ月でも売買を見合せ、ここぞと思える時が来るのを待って売買せよ。


売買を急ぐなというのは、天井値段や底値段をしっかり見極める、の意味である。

踏み出しが大事だというのは、相場の世界ではあとになって必ず予想外なことが起きるものだからだ。
天井と底値の見通しが分かるなら、利益が出て、損が出ないものである。

利運に乗っているときには、強気一方にならず、百俵上がったところで見切り、
手仕舞って4、50日休むのがよい。
休むという意味は、その間に相場の底値の見当をつけるためである。

以上、相場の展開をよくよく考え、この書を愛用せよ。



(2)下げ相場は月始めは強く、月末は弱い

下げ相場は月始めに強くなるが、月末の29日や30、31日にかけて下がるものである。

逆に上げ相場は、月始めに動きが弱く、月末は強く、それも急騰の傾向がある。

5月までの売り(空売りのこと)は、当初の見込みと実際の進展とを29日まで見た上で、手仕舞うこと。

また6月の売り(空売り)は、21日までにすべてを手仕舞ってしまうべし。



(3)上げ相場で大騒ぎの時、火中に飛込む気持ちで売れ

米価がどんどん上がると、諸国で風説が出回り、大阪市場も加わって、相場はますます盛り上がる。

そうなるとご用米買い上げの噂なども流れ、さらに上昇に加速がつき、自分も買わずにいられない。
こんな時は、気持ちを切り換えて売りに回ることが大事。

これはつまり、火中に飛込む思い切りで実行すべきである。

相場全体が騒ぎ立っている時、
人々が西に走るなら、
自分は東に向かう。
こうすれば大きな利運に乗れる。

人々が間違いに気付いて東に戻る頃になって、
遅ればせながら西に向かうようでは、いつも利益など得られない。

利運が乗ったら、
信用取引で損勘定になっている人に最初の追い証がかかった時は売りを見送り、
二回目で一部利食う。

そして三回目ではすべて利食い、
4回目ではドテン買い(それまでの売買と反対に実行)に回ること。

これは「相場三位(ざんまい)」伝の一番大事な秘伝であり、忘れてはならない。



(4)人も自分も同じ下落予想の時は、海中に飛び込む気持ちで買え


米価がだんだん下がり、上方相場も下げ相場、諸国、

あるいは最上地方のお払い米が沢山出回るとの噂などもあって、人気も弱い。

こうなるとどれほど下がるか分かりにくく、自分も弱気になって、売ろうというような気になった時は、

気持ちを転じて買に回ったほうがよい。

このような思い切りは、海中へ飛び込むような気持ちがして実行しにくいものであるが、

そういう時こそ疑うことなく買うべきである。

そうすれば非常に大きな利運に乗れる。

下げると見込んだ時、予想通りさげるなら投資は簡単だ。

だが市場参加者たちの人気が下がるほうに偏った時は、かえって上がるもの。

そのため想定外の動きになってしまうものである。

上げる時も同じであり、やはり海中に飛び込む気持ちで売ったほうがよい。



(5)冬入りから正月、2月まで持ち合った場合の相場

冬に入り、

1月〜2月頃まで底値近辺で持ち合う相場は、

3、4月から5、6月にかけて必ず上がるものである。



(6)急騰、急落相場への対処法

急に下げ、

急に上がる相場は、

天井や底値がどの程度の日数になるのか見極めにくいものである。

そんな時には経験則から大体の見計らいで手仕舞うのがよい。

もっと細かくは、損勘定になっている人に2回目の追い証がかかるところでまず手仕舞う。

三回目ではほとんどを利食ってしまい、

四回目ともなるとそれまでとは逆にドデン(買っていたら売り、売っていたら買う)する。

以上は投資で勝つための秘伝である。



(7)冬入りから正月にかけて天井をつけた相場の見方について

冬に入り、正月頃まで底値圏にあった相場は、

5、6月にかけて上がるものである。

冬に入り、正月から2月頃まで高くて天井をつける相場は

5、6月にかけて必ず下がるものである。

5月に十分下げた時は、

6月には急騰する。

5月に下がらなければ、

6月には崩れてしまう。

これは疑いようがない。

7、8、9、10月まで下げ続けた相場は、

12月までには上がるものと心得よ。



(8)7、8、9、10月天井をつけた相場は翌年の夏は下がる

7、8、9、10月と上昇して天井をつけた相場は、

12月までに下がると心得よ。

そして年初から今年は上がると思惑盛んな年は、

夏にかけて下げてしまうものである。


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